総務の仕事その1:「ファシリティ管理・・・って何?」 第2話 - 不動産(土地/建物)の管理 -
目次
はじめに
先日の記事【 総務の仕事その1:「ファシリティ管理・・・って何?」 第1話 - 概要 - 】の続きをお伝えいたします。
今回は、大きくザクっと分けた3種類のうち、1番についてお伝えいたします。
1.不動産(土地/建物)の管理
↑ 今回はコチラについてお伝えいたします
2.消防/照明/空調などの各設備の管理
3.内装の管理
ファシリティ管理その1:不動産(土地/建物)の管理
私から、あなたへ2つ質問します。
Q1.以下4点の内、あなたの会社は、どれに当てはまりますか?
Q2.以下4点の内、総務で扱う不動産の管理は、どれだと思いますか?
(1)会社が『土地』を持っている。
(2)会社が自社ビルを含む『建物』を持っている。
(3)会社が他の会社や個人へ貸し出す『賃貸物件』を持っている。
(4)会社が賃貸でテナントとしてビルに入っている。
A1.それぞれ、心の声で回答してください。
「ウワッ全部やん!」なのか、それとも、「(4)だけだな。」なのか・・・
A2.回答は、そう!「ウワッ全部やん!」です。
【 A1 】で、該当する項目が少なければ、その分、仕事の種類は減ります・・・
上記(1)~(4)について、少し掘り下げていきたいと思います。
(1)会社が『土地』を持っている。
まず、「土地をもっている = 固定資産*1
固定資産については、今後、あらためて記事でお伝えいたします。
ここでは「固定資産ってものがあるんだ~」程度で、話を流してください。
そして、「土地をもっている = 土地を管理する」 と、いうことです。
今後、あなたが土地を購入した際、あなたの実生活に役立つ業務です。
さて、土地の管理は、土地のメンテナンスです。
土地が健全な状態で、ありのままの当たり前の状態で、存在している状態をキープすることです。
具体的には、雑草やススキ、ブタクサ等で近隣に迷惑をかけていないか、不法占拠をされていないか、不法投棄をされていないか、などの確認が必要です。
私が携わった案件では、土地が「林」でした。それも「保安林」でした。
ザクっというと、水源の確保や、土砂災害などが発生しないように、世のため人のために存在してる「林」のことです*2
私が仕事をしていると、突然、郵便物が届きました。「保安林に関して」のような封書でした。おそるおそる開封しましたが、「あなたの会社が持っている『林』は、保安林です。そして・・・」のような内容が書いてありましたが、書面を読み込むと、特にやることが無かったので、「ほっ」として上長に報告して文書を保管して終了しました。
土地を持っていると、管理しなければならないのだなぁと、1つ『気づき』が増えた経験でした。
(2)会社が自社ビルを含む『建物』を持っている。
さて、次は「土地」ではなく、「建物」です。
自社ビルを含む『建物』に関する総務の業務は、ズバリ、建物の管理です。
まず、本社が自社ビルの月次点検があります。月次点検は、総務が専門家である管理会社さんと連絡を取り、ビル衛生管理法にそって、作成した年間計画を元に、指示を出して点検をさせます。その他にも関連法律があれば、その法律に沿った対応を進めていかねばなりません。
業務は多岐にわたるので、きちんと対応するのか、それとも、ほどほどに対応するのか、総務による建物管理能力が問われます。
次に、ビルの不具合が発生したら、緊急一次対応も、総務が対応をします。
例えば台風が来て、雨漏りした時の対応です。
修理業者さん、または、ビルの管理会社さんに連絡を取り、修理の段取りをします。
しかし、そのような緊急事態であればあるほど、他の会社も雨漏りをすることが多く、修理業者さんは、すぐに来てくれません。他社も同様に、雨漏りをしていて、早い者勝ちになるからです。
ようやく修理に来てくれたと思ったら、その時にできる事は、雨漏りをしている部分にウエス(布)を、天井裏に敷くくらいです。本格的な修理は、改めて現地調査を行い、改めて職人さんを集めて修理が行われます。
余談ですが、雨漏りほど怖いものはありません。なぜなら、雨漏りをしている部分がすぐにはわからないためです。
配管からの水漏れであれば、配管のどの部分からなのか、天井を開けてみないとわかりません。点検口*3があればよいのですが、なかったら、天井の一部を切り崩して点検口を作らねばなりません。なお、費用は、点検口1個で約10~15万円(税込)くらいです。
配管ではなさそうであれば、壁にひびが入っているのか・・・など、目視確認がスタンダードなので、なかなかなかなか、水漏れ箇所を見つけにくいため、水漏れはおそろしいのです。
また、 あなたも聞いたことがあると思いますが、「マンション」だったら、長期修繕計画を作成し、「大規模修繕」を行うように、自社ビルも本来であれば、同様の修繕を行います。
たとえば、マンションの大規模修繕は、通説では、以下の時期の工事が必要だと言われています。
・竣工後10年:外壁の修繕工事
・竣工後20年:配管の修繕工事
元のお話に戻って、会社の「建物」に関する業務としては、これらを自社ビルの管理業務に組み込む必要があることをお伝えします。
では、次の項目に進みます。
(3)会社が他の会社や個人へ貸し出す『賃貸物件』を持っている。
さて、賃貸物件については、大きく2点の業務があります。
1.自社ビルと同じように、建物の長期修繕計画や、水漏れの一次対応
2.賃貸借契約書の締結
1.自社ビルと同じように、建物の長期修繕計画や、水漏れの一次対応
巷でよく広告を見かける「アパート経営」のように、会社が建物を所持して、それを貸し出すとき、建物オーナーとしての対応が総務に求められます。
台風が発生した時、雨漏り・・・自社ビルと、賃貸物件のダブル緊急修繕・・・
分身して、身体が2体必要ですね。。。
2.賃貸借契約書の締結
プライベートでは、賃貸アパート、賃貸マンションを借りるとしたら、一般的には不動産仲介会社さんを挟み、契約書を締結します。
それが・・・もし・・・会社が、仲介会社を挟まなかったら・・・
総務または法務が賃貸借契約書をつくり、契約をする・・・など。
自社(貸主)の決裁者と、お相手(借主)の決裁者が親しい間柄で、口頭だけで賃貸が実施されることも。。。
しかし、そうなると、何か建物に不具合が発生した時、自社と、お相手で、都度協議を行います。もちろん、最初の担当者は、総務が窓口となります。
話がこじれそうであれば、双方の決裁者の協議となります。
このようなお仕事も。。。
さて、次の項目に行きます。
(4)会社が賃貸でテナントとしてビルに入っている。
この業務は、比較的シンプルです。
業務は、賃貸借契約を締結することが主な業務です。
お相手(貸主)と、自社(借主)とで、賃貸借契約を締結します。
通常であれば、賃貸借仲介業者さんを挟みます。
その場合、契約書上に自社にとって不利な項目があったら、お相手と協議して契約書の条文を変更しなければなりません。
ここは、交渉ですね。このようなことを続けていくと、総務として「調整能力」が身に付きます。
オススメの本
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伝え方によって、自社に有利な条件を勝ち取っていくことが、総務の仕事になります。
今回は、以上です。
次は、「第3話 - 消防/照明/空調などの各設備の管理 -」です。
引き続き、お読みいただきますと幸いです。